以前書いた記事の補完的な内容になりますが、めっちゃ長文になっちゃったので、前半と後半で分けます!
あと今日エイプリルフールなのですが、この記事にはユーモアの欠片もありません!! あらかじめご了承ください。
前回書いた記事がこちら。

この記事で申し上げたのは、安西D人狼ツイート多過ぎで言っている事は怪しすぎるけど、やっている事は”一応”公約通りじゃね?を結論としています。
「人は言っていることよりも、やっている事で判断すべきではないか」という考えに基づけば、安西Dは良くも悪くも無難にこなしてくれているのではないでしょうか。
ではなぜ、今バージョン4がいまいち評判が上がらないのか、なぜ反発の声が大きいのでしょうか。
これも詳しくは上記の記事の後半部分に書きましたが、キャラクターの強さに変化がほとんどない“強さのデフレ政策”が不満の大きな根源ではないか、と分析していきました。
記事が長いので先に結論を言っちゃいますが、言いたいことは以下の通りです。
・ver4が不評だと仮定して、その理由はキャラクター性能のデフレ政策にある。
・それは2017年に入ってきた新規勢のため。
・2018年以降、プレイヤーが新しく増えるイベントは乏しく、この層はとりわけ重要と判断しているのではないか。
・新規が成長しきるための時間稼ぎとしてストーリーに偏重したコンテンツを作り続けている。
・プレイヤー座談会やリアルイベントでガス抜き。批判的な意見の分断を図っているのではないか。
です。えっまだ帰られないでね・・・(´・ω・`)
MMORPGにおけるインフレとデフレとは
今日はわりと政治色が濃くなる内容なのですが、これは非常にリアルの経済に酷似しています。
リアルでは生活の基盤は「お金」ですが、MMORPGでは「キャラの強さ」がコンテンツを全て楽しむという定義の上では生活の基盤になります。
ver2~ver3のドラクエ10は基本的にはキャラクターの強さとインフレ一辺倒であった事は前回の記事でも書いてきた点になります。
ドラクエ10ではお金も重要ですが、そのお金はキャラクターの装備を買って能力を強化することが目的で、お金はキャラの強さにぶら下がっている要素のひとつだと考えた方が良いかもしれません。
ver2~ver3のキャラクターのインフレ政策を超ザックリいくつか例を挙げると・・・
・下方修正を嫌ってどんどん上方修正されるスキル
・宝珠、達人のオーブ
・各種追加スキル
・チャンス特技
・戦陣のベルトや魔塔アクセ
レベルだとか特訓を除外しても、キャラクターの強さを形付ける要素はたくさんあったんですよね。
それに引き換えver4は・・・
・レベル99→100
以上。終了です。
ver4でキャラクター性能の”デフレ政策”がお分かり頂けたのではないかと思います。
リアル経済との共通点!?
それでは、キャラクターの強さのインフレ政策とデフレ政策のそれぞれの長所を欠点も確認していきましょう。
まず強さのインフレ政策ですが、この政策を一番求めているのは熱心にプレイしている層です。
いきなり結論を書いてしまうと、RPGとしてはこちらの方法が限りなく正しい道です。少しずつキャラクターが弱くなっていくゲームをやっていても、まぁ、あんまり楽しくはないですよね。
ただ問題点もあって、強さのインフレをさせてしまうと、そこから置いて行かれてしまう層が増えます。
強さのインフレ政策は、ゲームの格差を拡大させてしまう危険をはらんでいます。
では、現状の強さのデフレ政策はどうかと言えば、RPGとしては正しくない状態です。
プレイヤーは「どうせ今プレイしても強くなれないから、今は休んでおこう」と判断して、ゲームから離れていくことでしょう。
強さのデフレ政策は格差は縮まりますが、プレイヤーの熱量を奪うキケンな政策です。
これ、「プレイヤーの強さ」を「経済」に置き換えると、そっくりそのままリアル経済と似たような現象になるんですよね。
物価上昇率に賃金が上昇が追い付いていない!格差拡大だー!のインフレの問題点
物価が下がって投資も何もない、みんなお金を貯め込んで経済停滞だー!のデフレの問題点
この二つの比較すれば、
基本的にはインフレ基調でみんな強敵に向かって頑張ろうで良いとは思うのですが、それから脱落する人が少なくなるような仕組みを頑張って考えよう!というバランスが大事ではないかと思います。
なぜデフレ政策をしなければいけなかったのか
デフレ政策を行えば活力がなくなってRPGとしては良くない状況になると、あくまでも説のひとつではありますが、そのように分析していきました。
では、なぜこんな危険なコトをしなければいけなかったのでしょうか。
それが2017年というドラクエ10にとって大切な年に隠されてます。
この年、PS4やSwitchが発売されて「新規勢」が多く生まれていきました。
一部雑誌から引用いたしますが・・・
初週で1万4000本です。ファミ通だと1万6000本程度で、かなり苦戦が報じられた数ではありました。
ではver4.0のPS4版の売上本数はいくつかと言うと・・・。
※ファミ通サイトより抜粋
PS4版ver4.0を購入したのは2万1262本です。
PS4のオールインパッケージの売上とPS4 ver4の売上を比較すると、確かに複アカ目的の人たちがいることは事実としても、ver4の方が売れています。少なくとも新規がver4ですぐに離れてしまったというのは数字では出ていません。
このように、2017年の特に下半期では新しいプレイヤーが増えたことにより、彼らがゲームを楽しみ、根付いていくことを待たねばならないと判断したんだと思います。
さらにこの人口増以降、残念ながらドラクエ10には人口の成長の余力はほとんどないという現状も大きく影響しているのではないかと思います。
少なくとも2018年は新しいプラットフォームの展開はなく、新規を入れるようなイベントもありません。さらに、来年以降も2017年に匹敵するイベントがあるかと言えば無く、これが最後の新規獲得のチャンスとなった可能性すらあります。
あえてチャンスがあるとしたら基本料金無料化でしょうが、それはまだ先の話です。
少なくとも運営にとっては「虎の子の新規」が”入った”2017年という年で、それを前提として考えれば、キャラを強くしたい!という古参の心情にムチを打つことしかできなかったのではないかと思います。
安西政権の人心掌握術
しかし、既存ユーザーは岩盤の支持層と呼ぶべき存在で、ここをないがしろにしすぎれば、2chもレビューサイトも大荒れ。結果的にマイナスな状況になりかねません。
ちょっと古いのですが、2013年に行われたアンケートの結果です。
御覧のように、50%のユーザーがストーリーの展開を求めているというのが実際の数字で明らかになっています。
運営としては、この「キャラ性能のデフレ状況」を、なんとかストーリーの好調を得て乗り切ろうとしているように見えます。
報酬がイマイチなのは、もちろんそのクエストを必須化させて新規との格差が増えることを恐れての事だったんでしょう。
ただし、MMORPGにとってストーリーがメインというのは歪な話でもあり、攻略系をメインとしたサイトやブログでは攻略すべき事がないという異常事態に陥ります。
たとえば少しゲームに熱量が落ちているユーザーならば、このストーリー重視の政策は有効です。しかし、熱量のあるプレイヤーにとっては大きな効果があるとは思えません。
そうすると、このゲームのプラスの面を見てきた攻略ブログの一部がマイナス要素を取り上げて運営に批判的になっていきます。そのほとんどの批判が正論なのも手痛いところで、今のところ避けられないのが実情です。
そんな苦しい状況を緩和させる古参ユーザーへの世論対策のひとつが「プレイヤー座談会」です。
プレイヤー座談会は基本的には古参ユーザーのガス抜きイベントですが、そのガス抜きは二通り種類あるのではないかと分析します。
ひとつ目はプレイヤー目線に立つという点をアピールする点。
ふたつ目は例えば運営を極端に批判してるのにも関わらず座談会へ行かないと宣言した場合「あのサイトは批判的だが座談会にはいかないらしい。ヘタレだ!」という印象を与え、批判的なグループ内での意見を分断することができるのです。
現地勢力を対立させるやりかたは大英帝国の常套手段ですが、理に適った統治学のひとつだと考えます。
これによってユーザーの意見をくみ取りながら時間を稼ぐと同時に、インターネット上のアンケートと実際にユーザーへ対面したときの温度差を確認することができます。
これらは面白い試みだと思いますが、運営としてもこの後ドラクエ10をどのように仕上げていいくのか、迷っている部分は相当ありそうです。
まとめ
えっと・・実はまだ半分くらいしか書けてませんでした!
あまりにも長文になってしまうのもどうかと思うので、この程度で一度仕切りたいと思います。
まとめますと・・・
・ver4が不評だとして、その理由はキャラクター性能のデフレ政策にある。
・それは2017年に入ってきた新規勢のため。
・2018年以降、プレイヤーが新しく増えるイベントは乏しく、この層はとりわけ重要と判断しているのではないか。
・新規が成長しきるための時間稼ぎとしてストーリーに偏重したコンテンツを作り続けている。
・プレイヤー座談会やリアルイベントでガス抜き。批判的な意見の分断を図っているのではないか。
以上となります!(´∀`)
次回の記事では、なぜ宝珠システムの中で縛りプレイを実装してしまったのか、そこには運営内の派閥抗争があったのではないか!?というさらに闇深い内容を書いていく予定です・・・(‘ω’)