MMORPGの自分が操作するキャラクターの事を「自キャラ」といいます。
自キャラとはどんな存在なのでしょうか。「分身」なのか、それとも「娘」「息子」的なイメージか、あるいはただの背景のような存在か。
人それぞれ感ずるところは違うとは思いますが、今日はこの「自キャラ」について語りたいと思います!(・ω・)ノ
恒例の結論から入るパターンなのですが、自キャラとは自分の分身であって、自分の分身ではない存在です。なんか厨二くさい言いぐさなのはさておき。
自分の分身となるための要素も最初に話しておきますと、「声」「視点」「ギャップ」の三点です。
そして、ドラクエ10は今あるMMORPGの中でもっとも自分の分身をつくりやすいゲームなのです。
自分の分身は否かは声が決まる!?
ドラクエ10には一切声がありません。
まぁ厳密にいえばあるにはありますが、NPCのトゥルルルトゥルルルル、以上終了です。
ドラクエ10の主人公には声という概念は存在しません。相手に伝えるときは謎の口パクとジェスチャーです。
一般的に情報を伝えるのはジェスチャーではなくて、文字や文章がそれにあたります。
ところが、字はさして多くの情報を持っていないようなのです
面白い例としては、帰宅した子供に母親が言う「おかえり」という言葉。この言葉で子供は母親の機嫌をほとんど察知できると言います。
ところが、おかえりという言葉にはあまり意味がないようです。重要なのは声。声だけで母親の感情や機嫌をほとんど全てかんじ取ることができるようなのです。
逆にいえば、それくらい重要な「声」がないドラクエ10は不完全な存在といえます。
しかし、その欠如を補完するのが人間の想像力であって、想像することによって、必然とそのキャラクターと自分自身の感情を重ねやすい環境になってしまうのです。
プレイヤーの思っている感情とリンクさせやすいんでしょうね。
言い換えれば、
声は感情移入にとって最大の敵です。
これは何も自己投影だけではなくて、例えばキャラクターにもその傾向があります。例えば、キティーちゃんには口は一切なく、ミッフィーの口はバッテンです。
愛されるキャラクターは声を持たない例がとても多いのです。
わたくしごとの話になりますが、確かに声があるRPGはROをプレイしてからというもの、あまりできなくなりました。
反面面白いなとハマったのが主人公が話さないダークソウルやゼルダなんですよ。
声がまったくないドラゴンクエストは、その誕生の時点で、ある意味でRPGの完成形に到達していたと言えるかもしれません。
実はMMORPGに向いていないVR
次に視覚の話です。
画像出典 ソードアートオンライン
VRという言葉を聞いて、いろいろな事を想像する方はいるでしょうが、ぼくがまず想像したのはソードアートオンラインでした。そこまで好きな作品ではないですが、そりゃあ2012年のドラクエ10にはキリトくんが大量発生してたんです。作品の得意不得意に限らず、嫌でもSAOが脳裏に浮かんでしまいますよ!(;´・ω・)
一応、ざっくりSAOの舞台を説明しますと、脳を直接刺激した完全なバーチャルリアリティー、フルダイブという言葉でも説明されますが、そんなのがゲームとして登場した近未来の話です。てっきり中の人男の姫に騙されたりみたいな、そんな展開を予想していたのですが、第一話で鏡を渡されて、それを見るとバーチャル上の自分がリアルの自分にさし変わっちゃっうんですよね。
「そっちか~!」と思いましたが、まぁあれはあれで面白かったですけど。
話を戻しますと、当然今の技術ではそれは不可能ですし、ようやく視覚情報だけはなんとかるかも。という状態です。
ところが、これも文字と同じなのですが、視覚は不完全な情報に過ぎません。
主観なんだから、その人になりきれるじゃん!と思いがちなのですが、致命的なのは主観だと自分の姿がほぼ見れないんですよ!
顔を下に向ければプクリポのけむくじゃらが見える・・これだけだとオラウータンかもしれないので、ちょっと弱い。
視覚という点から言えば、今のドラクエ10はじめ一般的なMMORPGのスタイルの三人称視点の方が没入感が強いのではないかと推測します。

Pexels / Pixabay
例えばサッカー選手によくあるらしいのですが、自分が立っているフィールドがまるで客席から見えているように錯覚する選手も居るらしいです。
プロの感覚はなかなか推し量れないところですが、一種のトランス状態と言っても良いと思います。
ゲームの中の三人称視点と同じとは言いませんが、俯瞰した目線とは共通点があります。言い様によっては、常時トランス状態!かもしれません。ちょっと怖い言い方ですが。
VRの話に戻りますと、VRのゲームには視覚的に強烈な作品が多いです。
戦争やホラーといった非日常を表現するにはVRは最適でしょうが、もうひとつの日常を作り出す事は、まだまだ技術的に足りない部分が多すぎます。(ちなみに臭いについてはいろいろと試行錯誤しているみたいです)
適度な非日常感とギャップ
三点目のギャップです。これはちょっと性質の異なる話なのですが、人間には絶対”飽き”がやってきます。さて、その飽きを防ぐにはどうすれば良いのでしょうか。
このグラフを見てくれればなんとなく分かるのですが、
人気種族ツートップはプクリポ♂、エルフ♀。この二つの種族に注目してもらいたいです。
まずドラクエ10のプレイヤーは75%は男性です。そしてなにより、ドラクエ10プレイヤーは全員紛れもなく人間です。
この二つの種族の特徴は今の自分から遠い存在なんですよね。
単刀直入いえば、無い物ねだりという訳です。
しかし、自分という存在がリアルにあって、ドラクエ10にも自分という存在があったら、これは飽きてしまう訳です。
人間♂やオーガ♂が随分減ってしまったのは、そういった事の影響もあると思います。
いかにして刺激を受け続けるか。まさにリアルとゲームとのギャップがあった方が刺激が強くなるという事を意味します。
そして、これが記事の冒頭にあった結論に繋がります。
MMORPGのキャラクターとは自分の分身であって、自分の分身でない存在である。
5年後のアストルティアはプクリポとエル子しかいなかったり・・・!?
ということで、声ナシ。三人称、キャラクター性のギャップの三点が揃っているドラクエ10は、非常に感情移入しやすいMMORPGといえます!(・ω・)ノ
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